あの園の先生は、お給料いくらなのかを調べる。
待機児童問題の原因に、保育士の低賃金が挙げられている。
「ブラック保育園」とまで言われる通り、サビ残ばっかりさせられたり、
忙しいのに安月給ではそりゃあモチベーションも下がる。
個人的な感想だけど、子どもと向き合うには大人の余裕がとっても必要。
自分の子供ですらそうなんだから、他人の子供を何人も相手するには、
やはりそれなりの待遇があってこそ、はじめてまともな対応ができるだろう。
詳しくはこれらの記事を。
"株式会社が保育園を作るとき何が起きるか"
https://websekai.iwanami.co.jp/posts/2353
というわけで、預ける保育園の先生たちがどの位の給料をもらっているかは
園選びではかなり重要だと思っているが、個別の園の給料水準について、
東京都のサイトがかなり情報公開をしている。
地図上の保育園を選択すると、「施設・事業所等関連情報」の欄で
財務情報、モデル賃金を見ることができる。
ただし東京都からの保育士等キャリアアップ補助金が出ている施設のみ。
例えば中野駅付近の園について、「事業活動収入に占める保育従事職員給与支出の割合」「常勤職員の平均月給」をざっと見る。
人件費率(%) | 常勤職員賃金月額(千円) | |
コンビプラザ中野 | 62.5 | 266 |
ひまわり | 65 | 330 |
エンゼル保育室(認証) | 71.1 | 248 |
ピノキオ幼児舎中野園(認証) | 52.2 | 310 |
ももがおかさゆり | 82 | 418 |
橋場そらとみどりの保育園大きなおうち | 60 | 316 |
ピオニイ | 82.3 | 383 |
キッズガーデン上高田 | 60 | 189 |
気が付いたこと。
記事の通り、賃金は社福>>株式会社。ただ認証でも人件費率や賃金が高い園もある。
ももがおかさゆり、ピオニイがやたら高い。
調べてみると、どちらの法人も運営している保育園は、2園だけ。
新規園の開園準備にカネが出ていくこともない。
こういう経営環境だと安定してお給料が出せるということか。
あとは、表には出していないけれど、橋場そらとみどりは、補助金給付前(28年度)の人件費率は72%なのに、給付年度(29年度)の人件費率が60%と大きく下がっている。
財務データを見てみると、そもそも支給人件費総額が少し下がっている。
一方、事務費支出(印刷製本費、修繕費、業務委託費)が上がっている。委託も一概に否定するつもりはないけど…。
例えば給食を委託している園も多いけど、お世話になった園の栄養士さんたちは、入園の時に食べる様子を見て、離乳食の切り方やら食パンのサイズを決めてくれたりする。
掃除のおばちゃんだって、会えば子供の名前を呼んで挨拶してくれる、上手に歩けるようになったねと声もかけてくれる。
そういう人たちを簡単に外だししてほしくないなと個人的には思う。
もう一つ気を付けた方がいいかなと個人的に思うのが、データを出していない園。
そもそも補助金をもらっていないのだろうけど、その理由は何なのだろうか。これだけ保育士の確保が厳しくなっている中、保育士の待遇を手厚くする補助金をあえてもらっていないというのが不思議。
とはいえ、こんなデータを見たところで、
希望の園には入れなければそれで終わり。
そもそも認可に入れるか微妙なのに、
調べても無力感が募るばかり、という考え方ももちろんある。
自分も、お世話になっている園の先生方の待遇の実情を見ると、
複雑な気持ちになるし、
一方、評判の良い園はなるほど厚遇されている。
結局入ったもん勝ちじゃんという感じがある。
ただ、利用者側がこういうデータを見ていて、選別能力を持つことが
保育園経営者へのプレッシャーにもなるし、長い目で保育士の待遇改善になる。
是非、園選びの材料に入れてほしいと思う。
(マニア向けの参考情報)
社会福祉法人については、独立行政法人 福祉医療機構が法人データ(財務情報も含む)を公開しているので検索ができる。
こちらで法人名を入れると、運営する保育園の一覧が出てくる。
社会福祉法人でも数十の園を運営していたり、上記の例のように二園しかないところもあり、いろいろ。