育児・保活データ集@中野

育児関連で調べたことや気になったことをメモします。リンクはなるべくアーカイブサイトに飛ぶようにしています。

都立高校の入試はどうなっているのか

子の中学受験をするかしないか?
それ以前に高校受験はどうなんだろう、ということで調べた。
旧第三学区での都立高校の序列は西>富士>豊多摩。
富士は中高一貫になってしまったので、西と豊多摩を比較してみる(どちらも定員は320人弱)。

1.入試制度

都立高校も推薦と一般入試がある。
何れも内申点が関わってくる。

一般入試
1000点満点のうち、ペーパーが700点、内申書が300点。
内申は5科目(5×5)+実技4科目(5×4×2)=65点を、300点満点に換算。
この構成はすべての都立高校で共通、ただし
西高校等一部進学校はは独自の入試問題を作成している。

推薦入試
西高校
定員の2割。900点満点のうち、調査書360:面接240:作文300。

多摩高校
定員の2割。募集要項が見つけられなかった。集団討論と作文はあるよう。

(参考サイト)

「初歩から分かる、都立高校入試の仕組みと対策」―入試制度から内申点、心構えまで — SAPIX中学部 公式サイト


2.進学状況

西       東大+京大 現18、現+浪42
          早慶 現102、現+浪210

(西高校サイトより)

大学合格者数2020



豊多摩 東大+京大 なし(ぎりぎり旧帝、筑波あたり)
               早慶 現26、現⁺浪36
               その他国立 現26、GMARCH 現179、日東駒専 現140

(豊多摩高校サイトより)

http://www.toyotama-h.metro.tokyo.jp/site/zen/content/000424458.pdf

 

さすがに都立有数の西高はすごいな、300人中18人が東大、クラスに2-3人、医学部も入れればもっとだろう。

豊多摩はあんまりパッとしないけれど、中位の一貫校もこんなものなのではないだろうか。(うちの近所の手頃に入れる一貫校だと、東大合格ゼロとかごろごろある)


3.一般入試の状況(入試サイト)

*合格可能性80%、内申点65点満点

                           男                         女
        偏差値     内申         偏差値     内申
西                70      59                68        62
豊多摩         61      51                60        55

 

偏差値・内申合格のめやす 東京都立高校入試 | 市進 受験情報ナビ


西高校の女子の内申62はめちゃくちゃ厳しい。
65点満点なので、4を取っていいのは実技1科目、5教科1科目まで。
ちなみに私は体育がどう頑張っても2だったのでこの時点でもう駄目。

4.内申点の状況←ここ重要

内申点は65点を300点満点に換算するので、内申1点は4.6点/1000点。

実技の評定1は内申点で2点に換算されるので、
実技科目の評定1は9点にざっくり相当する。

しかし問題はこの内申が学校によってバラバラであるということ。
相対評価に従えば、例えば評定5は7%、4は24%、3は38%、となるが、
今は絶対評価となっているので、評定の付け方に特段の縛りはない

都内公立中学校第3学年及び義務教育学校第9学年(令和元年12月31日現在)の評定状況の調査結果について
https://web.archive.org/web/20201012030502/https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/press/press_release/2020/release20200326_05.html
これによると、例えば国語の場合、
5:4:3:1:1の割合は
12.1:25.1:48.3:11.6:3.0
となる。

評価5が相対評価と比較すると倍、2と1がそれぞれ半分ほどになっている。
ただ問題は学校ごと(先生ごと)のばらつきが激しいこと。

東京都の資料「中学校等別評定割合(個表)」
に、中学校ごとの評定分布が乗っている(学校名は伏せてある)。
https://web.archive.org/web/20201009155106/https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/press/press_release/2020/files/release20200326_05/wariai.pdf
学校数が一番多い(33校)練馬区の国語でみると、最も5の割合が少ない学校は4.1%(No.18)、多い学校は34.6%(No.4)。
生徒数が同じと仮定すると、5が付く生徒が単純に8倍もいる。
また、おおよその傾向として5が多い学校は4も多いので、

4+5の割合も28.6%対60.9となり、
明らかに練馬区のNo.4の生徒は国語の内申点が取りやすいと言える。


先に書いた通り、実技科目の評定1は9点に相当する。


入試問題を見たところ、数学の証明問題が完答で7点とか。
先生ガチャで、数学の証明問題一つ分のハンデが生じる、
これは試験の制度として不公平すぎる。

 

都立高校の入試に重要な評定が、

先生に気に入られる子や優等生タイプが有利とかいう問題ではなく、

その先生の評定のつけ方、(または校長の方針もあるのか?)により決まる。

これはコントロール不可だし、子の個性とも全く関係ない。


東京都もこのような調査を公表するということは、評価のばらつきに問題意識があるということだとは思うが。

 

感想。

これだけの不公平な試合に参加するのはかなりリスクが高い、試験の公平性においては中受のほうがマシかもしれない。

一方、トップランナーとは言えない豊多摩高校でも、そこそこの進学実績は出している。中受に半端なリソース(金、親の労力)を投入して中位の一貫校に行くくらいなら、豊多摩高校でも十分なのではないか…。しかし豊多摩にすら入れない可能性はどのくらいあるのだろうか…。