育児・保活データ集@中野

育児関連で調べたことや気になったことをメモします。リンクはなるべくアーカイブサイトに飛ぶようにしています。

認可保育園の立ち入り検査報告書(H29-R1)

中野区でも、保育施設の立ち入り検査報告書が公表されるようになった。

保育施設の指導検査 | 中野区公式ホームページ

 

2020.9現在でH29-R1までの三年分について公表されている。
子の安全にかかわるような指摘がある園について以下にまとめた。
会計処理に関わることや、検便の実施が不十分、避難訓練が不十分あたりはきりがないのではぶいた。

表の他、気になる点いくつか。

 

●アートチャイルドケア中野南台森の保育園

乳幼児突然死症候群の事故防止が不十分として、二年連続での指摘を受けている。

さらにH29年の監査報告書には「改善済」とあるのに、翌年同じ指摘を受けている。

 

●マミーズエンジェル新中野保育園

別内容ではあるが2年連続で指摘あり。

 

あーす保育園

系列2園で同じ指摘が出されている。本部の作成するガイドラインがダメだったのだろう。

 

●まなびの森保育園鷺ノ宮

「当期末支払資金残高に関して重大な問題があるので是正すること。」とあるのが気になる(会計処理なので表には入れていない)。わざわざ重大なというのだから重大なのだろう。会計上の問題と言っても、認可保育園が倒産したというニュースも増えてきているので、入園候補であれば軽視しないほうが良いかもしれない。

 

また、保育園の立ち入り検査報告とは別に、グローバルキッズ沼袋では会計上の監査で故意ではないかとも思われる補助金の誤請求があった。

詳しくはこちらに。

 https://clockworkmayuge.hatenadiary.com/entry/2020/10/01/155210

 

【指摘事項一覧】

実施年度 施設名 指摘内容
R1 - 目立つ指摘をされた園なし
H30 マミーズエンジェル   新中野保育園 家具の転倒防止未設置等、保育室の危険個所がある。
*H29も指摘あり。
H30 アートチャイルドケア   中野南台森の保育園 幼児突然死症候群の事故防止対策が不十分である。
*H29も指摘あり。
H30 鷺宮クローバー保育園 施設長が専任となっていない。
H30 かたつむり保育園野方 基準面積が不足している
*H29も指摘あり
H29 マミーズエンジェル   新中野保育園 幼児突然死症候群の事故防止対策が不十分である。
H29 アートチャイルドケア   中野南台森の保育園 幼児突然死症候群の事故防止対策が不十分である。
H29 なかよしの森保育園 幼児突然死症候群の事故防止対策が不十分である。
保育室の衛生管理に問題がある。
H29 橋場そらとみどりの保育園大きなおうち 幼児突然死症候群の事故防止対策が不十分である。
H29 中野ひかり保育園 家具類の転倒防止が為されていない。
保育士の配置が適正に行われていない。
食物アレルギー対策を適切に行っていない。
感染症予防対策が不十分である。
H29 ピノキオ幼児舎野方保育園 幼児突然死症候群の事故防止対策が不十分である。
H29 中野南台ちとせ保育園 施設長が専任の要件を満たしていない。
H29 オンビーノスクエア野方 保育士の配置が適正に行われていない。
H29 徳田保育園 児童の安全対策に必要な措置を講じていない。
H29 あーす保育園鷺ノ宮 幼児突然死症候群の事故防止対策が不十分である。
飲料水の衛生管理が不十分である。
H29 あーす保育園中野坂上 幼児突然死症候群の事故防止対策が不十分である。
飲料水の衛生管理が不十分である。
H29 かたつむり保育園野方 職員配置が適正に行われていない。
給食食材の発注量が不足している。
H29 ゆめのいろ保育園中野 職員の配置が適正に行われていない。
H29 ふたばクラブ鷺宮保育園 保育士の配置が適正に行われていない。

 

以下はついでの内容、ちょっとおもしろかったので一応メモ。

 

重大な会計不正があったまなびの森、会長の久芳敬裕氏はUSCPA(米国公認会計士)の資格をお持ち。

過去保育園が倒産した事件があった際にはこんなコメントも新聞に寄せている。


2008年11月14日 朝日 朝刊 1

> 「保育事業はつぶれてはいけない事業のはずなのに、財務審査が甘すぎる」と、業界大手の株式会社こどもの森の久芳敬裕会長は指摘する。「経営難で保育士の給料や労働条件が悪くなれば、保育の質にもかかわってくる。だが、役所には経営状況を審査するノウハウは無く、専門的知識を持つ人もいない」 

 

また、過去の記事でこんな発言も。

 

2016/05/05 日本経済新聞 朝刊 7

>保育士が足りない背景として給料が安く、仕事が大変だからという指摘がある。保育士の定着率が良くないことは問題で、給料水準は改善の余地があるかもしれない。
>ただ保育士は「職場の人間関係」や「子どもが生き生きしているかどうか」を見て働く場所を決めることが多い。愛情を持って園児らに接することができる環境がなければ長続きしないだろう。人間関係で嫌な思いをすると二度と戻らない。

 

久芳氏にとっては、給与は保育士不足解消のファーストチョイスではなさそうだ。個人的には、お給料が安くて激務なのに職場でよい人間関係を作るのは結構難しいようにも思う。

 

ただ、この方の東京都の審議会での主張は多いにうなずける部分があって、要は参入障壁をなくし、補助金は施設に出すのではなく保護者に直接出す形式にして競争状態にせよというもの。
この人の主張通りの制度になれば、株式会社立保育園ももうちょっとましな形になっていたのではないか。

東京都児童福祉審議会 第3回専門部会 審議概要

 

あとはHP上の久芳氏の経歴に、「公の審議会等の委員も多数歴任」とあるけれど、go.jpドメイン内の検索をしたが、政府レベルの審議会委員の経歴は見つからなかった(東京都の審議会はあり)。「公の審議会」、なかなかうまい表現ですね。